ミャンマー大地震「何とかして支援したい」…在鹿児島のミャンマー人留学生や技能実習生の「故郷への思い」ひしひしと

2025/04/01 07:30
大崎町内で働く技能実習生に、家族が撮影・送信したマンダレーの被害状況(サンダー・ミントさん提供)
大崎町内で働く技能実習生に、家族が撮影・送信したマンダレーの被害状況(サンダー・ミントさん提供)
 ミャンマー中部マンダレー近郊で起きた大地震を受け、鹿児島県内のミャンマー人は「救助や支援が届いていない」と故郷への思いを募らせている。現地に住む県出身者は「複雑に絡む内政事情にも関心を」と訴える。発災から3日たった31日も次々と被害が明らかになり、不安は増すばかりだ。

 「多くの命が失われ、歴史的な建物も壊れた。とてもつらい」。鹿児島市の九州日本語学校に留学中のティリメイマウンさん(22)は「家族は無事だったが、通信状況が悪く連絡できたりできなかったり。苦労を思うともどかしい」と話す。

 同市の鹿児島情報ビジネス公務員専門学校に通うカウンシッツさん(21)とナインウインテさん(21)は「何とかして支援したい」と口をそろえる。マンダレーに住む友人に「情報が入手できない」と聞かされたカウンシッツさんは、天気予報や余震のニュースを要約し、SNS(交流サイト)で伝えているという。

 出入国在留管理庁などによると、県内のミャンマー人は2024年末時点で1527人。23年末の796人から急増した。技能実習生が増えたとみられる。

 技能実習生ら約90人が暮らす大崎町で国際交流員を務めるサンダー・ミントさん(37)は、最大震度6弱を観測した昨夏の日向灘地震を振り返る。「今回はそれ以上の揺れ。心臓に機械を入れている母が心配だ。一刻も早く救助活動が始まってほしい」と願った。

 いちき串木野市の「こだわりとんかつ味工房みその」で働くアウン・ピェ・ソンさん(23)と同市の神村学園専修学校に通うアウン・リン・テットさん(22)。どちらも家族がマンダレーに住んでいる。ソンさんは「働いてためたお金をすぐに現地ボランティアに寄付した」。テットさんも「学校やアルバイト先に募金箱を置きたい」と話す。

 ヤンゴン在住で介護福祉士の佐藤和也さん(52)=鹿屋市出身=は「複雑な内政事情があり支援活動もままならない」と嘆く。「今や県民にとって身近な外国人の故郷。地震被害に事実上の内戦状態が追い打ちをかけている実態も知ってほしい」と呼びかけた。

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