自衛隊基地整備進む馬毛島 工期延長で地元への交付金2.4億円増え30億円 防衛省

2025/04/02 11:36
〈資料写真〉自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
〈資料写真〉自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
 防衛省は1日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴い、種子島1市2町に通知した2025年度分の米軍再編交付金が前年度比2億4400万円増の計30億7600万円になると発表した。同省は「工期が3年伸び、工程を精査した結果、増額となった。交付する10年間の総額は変わらない」と説明している。

 内訳は西之表市22億5千万円(前年度比1億7800万円増)、中種子町5億6300万円(同4500万円増)、南種子町2億6300万円(同2100万円増)。

 防衛省は昨年9月、施設全体の完成時期を30年3月末へ3年延期すると発表した。交付金は再編特措法に基づき算出。31年度までの10年間という期間と総額は変わらない。同省は総額を明らかにしていない。

 西之表市は25年度当初予算で交付金を見込み、「地域産業」約7億6千万円、「文化・スポーツ」約5億2千万円など6分野の政策を予定している。新規は7事業で、看護専門学校のサテライト校設置や小中学校特別教室の空調整備などを想定しているが、個別の事業費は公表していない。

 中種子町は種子島中央体育館と種子島中央武道館の改修工事にそれぞれ約1億7800万円と約6500万円、地域防災計画の見直しに約1500万円を充てる。南種子町は特産品開発センターの新築に約1億500万円、農家の肥料など購入補助に約6900万円、漁業の燃料購入補助に約800万円を充てた。

 再編交付金は防衛施設の面積や整備状況などに基づき算定する。自治体側は幅広い事業に充てられる半面、首長の反対などで受け入れが進まなければ国の判断で減額・停止される。

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