日本舞踊好きが集う“女子会”開いて半世紀…元気なうちに一区切り メンバー最高齢は91歳、家族からの表彰状に笑顔はじける

2025/04/03 06:03
笑顔で手踊りのポーズを決める「水曜会」のメンバー=3月26日、鹿児島市明和5丁目の永吉団地親和会館
笑顔で手踊りのポーズを決める「水曜会」のメンバー=3月26日、鹿児島市明和5丁目の永吉団地親和会館
 鹿児島市明和5丁目の高齢者サークル「水曜会」が3月で最終回を迎えた。日本舞踊が好きなご近所さんが集まり、約50年続いた“女子会”。現会員9人が84~91歳と高齢になり、「皆が元気なうちに一区切り付けよう」と決断した。永吉団地親和会館で26日あった最後の集いでは、長年の活動をたたえメンバーの家族が作った表彰状が贈られた。

 会長の池田紀久子さん(86)によると、永吉団地ができて間もなくの1970年代半ばに発足。当初は30代の主婦ら約60人が毎週水曜、着物で日舞の練習に励んだ。年齢を重ねるとともに会員数は減少。10年ほど前からは洋服で手踊りや脳トレを楽しむ。

 メンバーは「個性はバラバラだけど一体感がある」と口をそろえる。年1回は旅行し、それぞれが夫を亡くした悲しみにも寄り添い合ってきた。池田さんは「悩みを何でも吐き出せた。日々頑張れる源だった」と感謝する。

 3年前には森山孝子さん(84)が会の最中に大動脈解離で意識を失ったが、元看護師の柴田正子さん(85)が心臓マッサージし、メンバーが手分けして救急車要請や家族へ連絡。森山さんは一命を取り留めた。

 森山さんの長女宮原聡子さん(56)と次女假屋久江さん(53)は「楽しそうな母の笑顔を見るたびに、会の仲間には特別な絆を感じた」と、全員へ表彰状を準備。最後の集いに参加した8人に贈られた。メンバーは喜びつつ、「まだ『卒業証書』はもらいたくない。付き合いはずっと続く」と明るく笑い合った。

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