キッチンカーでラーメンを作る桑畑愛子さん(右)と梶原貞治さん=3月30日、長島町の蔵之元公民館
ラーメンを愛する鹿児島市のユーチューバーが動画配信の収益を還元したいと、長島町の蔵之元公民館で3月30日に開かれた地域食堂に参加した。県内を巡るキッチンカーに依頼してラーメン100食を無料でふるまい、住民らと交流した。
「タイガーラーメン研究所」こと桑畑恵一さん(53)、愛子さん(53)夫婦が企画。車中泊しながら全国を巡り、ご当地ラーメンの紹介動画を公開している。旅先で多くの人々と出会ううち、大好きなラーメンを地域食堂で提供したいと考えたという。
NPO法人かごしまこども食堂支援センター「たくして」の紹介で、長島町ひとり親寡婦福祉会による地域食堂「すいせんの花」への参加を決定。ラーメン作りは、キッチンカーで営業する麺家宮地(鹿児島市)の梶原貞治さん(60)が担った。
長島はラーメン店が少なく、多くの住民が心待ちにしていた。もちもちとした縮れ麺に絡む魚介だしの和風スープは、福祉会メンバーが握ったおむすびとも相性ばっちり。「あっさりしておいしい」「本格的なラーメンは初めて」と喜ぶ声が上がった。食事代の代わりに住民にそれぞれの夢をカードに書いてもらい、キッチンカーに飾った。
この日のために3カ月間修業して調理助手を務めた愛子さんは「喜んでもらえてうれしい。調理の大変さも分かり、ラーメンへの愛が深まった」と笑顔。夫婦はこれからも同様のイベントを開きたいと張り切っている。