鹿児島県警の巡査部長、私用スマホで供述調書を許可なく撮影していた 21年2月~24年3月に数十件、開示請求で判明 巡査部長は本部長注意

2025/04/03 06:30
私用スマホの不正使用を示す鹿児島県警の公文書
私用スマホの不正使用を示す鹿児島県警の公文書
 鹿児島県警の巡査部長が許可なく私用スマートフォンで供述調書など数十件を撮影していたことが2日までに分かった。期間は2021年2月ごろから24年3月ごろで、同10月に本部長注意を受けていた。南日本新聞が公文書開示請求し判明した。県警は本部長注意は発表対象にしていない。

 開示文書によると、県警は同4月2日に認知。確認できた画像データは同日中に全て削除させたとしている。第1報の報告書には詳しくは調査中とした上で、画像データには供述調書など数十件が含まれていたと記されている。情報が外部に漏れた恐れは「ない」と判断。事案を認知した経緯は黒塗りだった。

 私用スマホを使った理由には「写真の公用パソコンへの落とし込みに時間がかかる、スマートフォンの方が写真を拡大できて詳細に把握できる、(途中黒塗り)捜査書類の修正などをはやくした方がいいと考えていた」とあった。

 私用スマホを公務で使用する場合は事前に運用管理者の許可が必要だった。

 再発防止策としては、研修資料の発出、eラーニングを活用した情報リテラシー研修、署長会議での指示などを挙げている。

 開示文書の中には、情報管理課が作成した24年7月9日付の「情管だより」も含まれていた。それには巡査部長とは別に「6月中旬に、県内某署で、個人所有携帯電話機で交通違反取締り現場の動画を撮影した」「(23年に)個人スマホでメモ代わりに勤務表とかを接写して保存していた事案があった」とあり、他にも類似の案件があったことが分かった。

 文書は監察課から10枚、情報管理課から6枚開示された。うち13枚は一部黒塗りだった。

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