鹿児島の春のターゲット「乗っ込みのチヌ」 色こそ地味だけどめちゃくちゃカッコイイ魚なんです

2025/04/03 14:57
鹿児島市の岸壁で42センチのチヌをゲット
鹿児島市の岸壁で42センチのチヌをゲット
〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉

 日増しに暖かくなるこの頃、冬眠から目覚めたように活動が盛んになる釣り人も少なくありません。この春、新しいことを始めようという人、県外から鹿児島へ越してきた人にも釣りを心からお勧めします。

 鹿児島の春のターゲットといえば、桜色に色づくマダイや黒と白のしま模様が美しいイシダイ、3キロを超える大型のアオリイカなど、時には高値で取引されるメジャー級の魚たちが人気です。しかし今回、紹介したいのは華やかな色合いとは真逆のクロダイ。色こそ地味ですが、ヒレの張り方やメタリックなボディー、洗練された顔つき…と、よく見ると実はめちゃくちゃかっこいい魚なんです。「チヌ」とも呼ばれ、1年を通して釣ることができます。

 特にこれからの季節は「乗っ込み」と言って、深場で冬を越したチヌが産卵のため浅場へやってきます。乗っ込み期は型がそろった群れで泳いでいる場合が多く、初心者でも比較的釣果を挙げやすいです。産卵に備えて食欲も旺盛で、餌に夢中になって他の魚と競い始めたらこちらのもの。50センチを超える大型は、昔から「年なしのチヌ」と称されます。何年生きているのか分からないほど大きいという意味で、釣り人が最初に目指すサイズの基準となっています。成長が遅いチヌが50センチを超えるには10年以上かかるそうで、釣り上げたら大切に扱ってくださいね。

 私は毎年、ウキを使ったフカセ釣りでチヌを狙います。5メートルのチヌ専用のさおは、全身を使って力強く沖へ向かうチヌをしっかり手前に寄せることができます。大物が食いついてバチバチと糸が出る瞬間、さおが空中で弧を描く様子、どのシーンも他の釣りとは違う心躍る瞬間です。

 チヌは雑食で、釣り餌では定番のオキアミの他、サナギや麦、トウモロコシなども食べるユニークな食性です。3月30日の昼、鹿児島市の岸壁からオキアミを餌に狙いました。1時間ほどは小型のクロが数匹。その後、まき餌が効いてきたのか40センチ前後のチヌが2匹釣れました。始めたらハマること間違いなし! 皆さんもチャレンジしてみて。

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