2月に就航したばかりなのに…新定期航路、赤字続きで5月休止 手薄な2次交通ネック、利用者伸びず マリンポート~鹿屋「なんきゅう」

2025/04/05 06:30
なんきゅうドックが運航する鹿児島-鹿屋の定期船=2月1日、鹿児島市のマリンポートかごしま
なんきゅうドックが運航する鹿児島-鹿屋の定期船=2月1日、鹿児島市のマリンポートかごしま
 「なんきゅうドック」(鹿児島市)が今年2月から運航するマリンポートかごしま(鹿児島市)-鹿屋港(鹿屋市)間の定期便が、5月1日から休止することが4日、分かった。燃料費の高騰や利用者低迷により赤字運航が続いていた。休止は2026年4月末までの予定で、その間は団体向けの不定期で運航する。

 定期便は生活の足や観光面での利用を見込み、毎日運航で始めた。同社によると、これまで運航した計35便の乗客は延べ52人にとどまり、利用者がいない日も多かった。3月16日の週からは火、土、日の週3運航に減便し、4月3日には船の不具合による当面の運休を発表していた。

 運航開始後からの赤字は約200万円といい、3月末に九州運輸局に休止を届け出た。同社の今村弘彦会長(85)は「定期便を喜んでくれた人もいたので悔しい。一企業では対応できない2次交通などの課題が改善されれば、定期として再開したい」と話した。

 鹿屋港で使う浮桟橋は、地元漁業や自治体の要望もあり、県が約4億7000万円かけ整備した。県港湾空港課の大薗昌吾課長(53)は「定期便の休止は残念だが、観光客向けツアーなどで引き続き利用してほしい」としている。

 小型高速船「なんきゅう8号」(18トン、60人乗り)は現在修理中で、運航再開は4月中旬ごろを目指す。5月以降はクルーズ船客や観光客ら団体用の不定期便として活用される。

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