教科担任がそばにいなくても単位が取れる…離島高校生向けのリモート授業を本格化 鹿児島県教委が配信拠点を開所

2025/04/09 07:30
遠隔授業配信センターの看板を設置した県教育委員会の吉元彰一高校教育課長=8日、鹿児島市の県総合教育センター
遠隔授業配信センターの看板を設置した県教育委員会の吉元彰一高校教育課長=8日、鹿児島市の県総合教育センター
 離島の小規模県立高校を対象に、単位認定可能な遠隔授業を配信する拠点の開所式が8日、鹿児島市の県総合教育センターであり、県教育委員会関係者や受信高の生徒らがリモートで参加した。

 対象は喜界、大島北、古仁屋、沖永良部、与論の5校。生徒計189人が公民、数学、理科(物理・地学)、英語、情報の5教科6科目の授業をビデオ会議システム「Zoom」を使って受ける。9日から鶴丸(鹿児島市)所属の担当教員5人が拠点となる遠隔授業配信センターから配信。各校に年2回ずつ出向き、対面授業を行う。

 生徒数が少ない5校はこれまで、教員を配置する定数の影響で、一部科目に教科担任がおらず開講できなかった。県教委は昨年度、長期休暇中の補習で試験的に配信するなど遠隔授業の体制整備を進めてきた。吉元彰一高校教育課長は「生徒の進路希望に応えるため必要」と意義を強調した。

 開所式で喜界高3年、野間香澄さんは「地元校に通いながら、進路実現に必要な授業を受ける機会が得られた」と笑顔。地頭所恵教育長は「多様な科目開設や習熟度別指導で、生徒の学びが充実すれば」と期待を寄せた。

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