弾薬庫整備は「地域活性化の起爆剤」 急速に進む少子高齢化…町議候補19人中16人が「賛成」、現職は全員容認 さつま町議選〈南日本新聞アンケート〉

2025/04/11 06:30
弾薬庫の整備決定を防衛省が明らかにした中岳周辺=2024年12月17日、さつま町永野
弾薬庫の整備決定を防衛省が明らかにした中岳周辺=2024年12月17日、さつま町永野
 南日本新聞は13日投開票の鹿児島県さつま町議選(定数14)の立候補者19人(現職11、元職1、新人7)に、防衛省が町内への整備を決めた弾薬庫(火薬庫)に関するアンケートを実施した。整備に「賛成」が16人(84.2%)で、「地域活性化につながる」などが理由に挙がった。

 町議会は2018年、自衛隊施設誘致を求める請願を全会一致で採択した。弾薬庫整備計画が明らかになると、24年2月に防衛施設の調査研究を進める特別委を設置。同3月に誘致反対を求める陳情を全会一致で不採択とした。

 アンケートで弾薬庫整備に「賛成」と回答したのは現職全員を含む16人。「反対」は2人、「どちらともいえない」は1人でいずれも新人だった。

 「賛成」の理由としては、人口増や交付金が期待でき地域振興につながるとの見方が多かった。「企業誘致の一環」「活性化の起爆剤」との受け止めもあった。防衛力や抑止力強化のために必要との意見も目立った。

 「反対」とした候補は有事になれば標的になる恐れがあることなどを理由に挙げた。整備地・中岳の水源は農業用水に使われており、影響を不安視する声もあった。「どちらともいえない」と答えた候補は、慎重に民意を尊重するとした。

 人口は旧3町が合併し誕生した2005年当時から3割減の約1万8000人となった。急速に少子高齢化が進む。

 立候補者が任期中に取り組みたい課題として最も多かったのは農業をはじめ1次産業や経済分野の振興。続いて人口減少対策だった。

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