「日本建築の粋見せる」…不動産業者が半世紀かけ建てた「森岡城」、外国人観光客の反応に手応え 地元高校生らとツアー探究 えびの市

2025/04/13 10:53
日本庭園が広がる「森岡城」の内部=えびの市大明司
日本庭園が広がる「森岡城」の内部=えびの市大明司
 宮崎県えびの市観光協会と地元の飯野高校生が、同市大明司にある「森岡城」の魅力をインバウンド(訪日客)に発信する取り組みを始めた。5万平方メートルの敷地に巨石を積んだ城壁や白壁のやぐら6棟を含む11の建物がある観光施設。地元出身者が半世紀かけて造り上げた施設をPRしようと、初のデモツアーを開いた。

 施設は、大阪で不動産業で成功を収めた同市出身の森岡藏徳さんが「日本建築の技術の粋を見せる城を築きたい」と、1975年に建設に着手。今年2月、森岡さんが90歳で亡くなって以降も整備が続けられている。2005年から観光施設として公開されているが、市外での知名度が高いとはいえなかった。

 市観光協会が発信に乗り出したのは、高原町の観光業者から「外国人客の反応がとてもいい」と聞いたのがきっかけ。「市に人を呼び込む観光を探究したい」という飯野高校普通科探究コースの3年生3人にも参画してもらうことにした。

 デモツアーは5日、同市や近隣市町の外国語指導助手(ALT)らを招いて実施。施設を巡り、甲冑(かっちゅう)や打ち掛けの試着、茶会などを楽しんでもらった。飯野高生は案内役を務めた。

 小林市国際交流員のオストワルド・ロバートさん(31)は「日本建築を手軽に楽しめ、外国人には魅力的だ」と感想を述べた。飯野高の中堀亮太さん(17)は「緊張してうまく話せなかった。英語力ももっとつけたい」と課題を挙げた。

 市観光協会では年3回程度のデモツアーを開催。ツアー動画を旅行支援サイトなどに上げ、誘客につなげていきたい考えだ。

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