学習用端末を使って理科の試験に臨む中学生=14日午前、鹿児島市の伊敷中学校
小学6年と中学3年を対象に毎年実施している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が14日、始まった。この日は中学理科が実施され、デジタル端末を使いオンラインで出題・解答する新方式(CBT)を初めて導入。ネットワークの負荷軽減のため、学校を17日までの4日間に分散させた。国語と算数・数学、小学校理科は、17日に従来通り紙で行う。
国公私立の小中計約2万8000校の約200万人が参加予定。14日の中学理科は約2300校で行われた。鹿児島県教育委員会などによると、県内の国公立中は69校が実施し、大きなトラブルの報告はなかった。
鹿児島市の伊敷中学校では3年生211人が受けた。数人に一時的な不具合がみられたが、全員が無事に解答を終えた。男子生徒は「操作に慣れない部分もあったが、紙とは違う良さもあると思う」。同校教諭(44)は「紙だと採点やデータ入力に1週間ほどかかったが、CBTは速報値や平均がすぐ出る。一方でネットワークの不具合が出ないか緊張感もあった」と話した。
文部科学省によると、CBTでは動画や音声を使った出題形態が可能となるほか、児童生徒ごとに異なる問題を割り当てることで、データを幅広く収集できる。全国学力テストは、国語と算数・数学は毎年度、理科と中学英語は3年に1回程度実施される。文科省は今回の中学理科を皮切りに、2026年度は中学英語でCBTを導入。27年度からは全教科に広げる方針だ。