10年で倍増、県内女性議員が大躍進 総計100人到達したが、定数に占める割合は14%、6町村はゼロ

2025/04/15 11:43
さつま町議選の当選証書を受け取る武さとみ氏=14日、さつま町役場
さつま町議選の当選証書を受け取る武さとみ氏=14日、さつま町役場
 13日投開票された鹿児島県内3町議選(さつま、南大隅、錦江)で8人の女性議員が当選した。さつま町の3人は過去最多。3町の当選者を含め、県内の女性議員(14日時点)は県議と市町村議を合わせ計100人になり、10年前の約2倍に増えた。識者は「議会への関心が高まるきっかけになる」と期待する。

 100人の各議会の内訳は県10、市62、町27、村1人で、定数計714に占める割合は14.0%。有志でつくる「女性議員を100人にする会」によると、2015年6月時点の53人から倍増した。平神純子代表(68)=南さつま市議=は「一つの区切り。生理や妊娠・出産など当事者にしか分からない声を届けられる」と歓迎する。

 県内の選挙では近年、女性候補者の最多当選が相次いでいる。23年県議選では全体2割に当たる11人が、24年の鹿児島市議選では3人増の12人が当選した。同年は奄美群島8町村で議員選があり、倍増となる14人が誕生した。

 さつま町議選は定数14で争われ、現職2、新人1の女性が当選。14日に当選証書付与式があり、新人の武さとみ氏(63)は「多様な性への理解が深まり、尊重し合える人権意識の向上に力を尽くす」と話した。

 県内で最も割合が高いのは枕崎市(定数12のうち4人)で33.3%。西之表市28.6%、鹿児島市26.7%と続く。一方、肝付、長島、徳之島の町議会と三島、十島、大和の村議会は女性がゼロ。国政選で鹿児島の選挙区から女性の選出はない。県内では1議員だけの自治体が12に上り、平神代表は「全国的に見たら少ない。1、2人だと不安定で、すぐゼロになる恐れがある」と指摘する。

 鹿児島大学の平井一臣名誉教授(66)=政治学=は「地方では議員のなり手不足が深刻。政治に関心のある人を掘り起こして、人材育成すればさらに増える可能性がある」と話した。

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