鹿児島県警の庁舎
鹿児島県警は15日、捜査上知り得た秘密を知人女性に漏らしたなどとして書類送検された前捜査2課長の安部裕行警視(29)=警務部付=が、22日付で警察庁長官官房人事課付に異動すると発表した。県警は「警察庁と調整の上で決定した」と説明。異動理由について「個別人事に関し、選定プロセスについて答えることは差し控える」とした。異動発表時点で本人から辞職の申し出はない。
安部警視は警察庁に2018年入庁のキャリア官僚で、23年8月に県警へ出向し2課長に就いた。情報漏えい容疑事件とは別の知人女性に対する不同意性交容疑事件で25年2月に書類送検され、警務部付に更迭された。複数の女性と並行して不適切な交際もあったとして、3月21日付で停職1カ月の懲戒処分を受けた。
鹿児島地検は両容疑事件をいずれも不起訴処分とした。2課長在任中の安部警視は、捜査情報漏えいなど県警の一連の不祥事について捜査を指揮したり、県議会で公式見解を答弁したりする幹部職員の一人だった。
県警は続発する不祥事を受け、24年8月に再発防止対策をまとめた。他方で県議会総務警察委員会は3月、警察職員に対する懲戒処分を「他の公務員と比べて甘いと考えられる」と指摘。「警察庁とも協議しながら処分基準を含めた見直しの検討を」と要望した。