名誉毀損罪の適用難しい?…八代亜紀さんヌード写真付きCD発売告知に識者批判 「リベンジポルノ」「尊厳踏みにじる許しがたい行為」

2025/04/17 06:00
八代亜紀さんのCD発売を告知する案内(ニューセンチュリーレコードのホームページより)
八代亜紀さんのCD発売を告知する案内(ニューセンチュリーレコードのホームページより)
 鹿児島市与次郎のレコード会社「ニューセンチュリーレコード」が、2023年に亡くなった歌手八代亜紀さんのヌード写真付きCDを21日に発売すると同社のホームページ(HP)で告知していることに批判が上がっている。識者は、私事性的画像記録の提供(リベンジポルノ)被害防止法違反の可能性を指摘する。

 HPによると、写真は八代さんのヒット曲を収めたCDの特典。八代さんが20代の時に同居相手が撮影したとしている。同社事務所は16日、南日本新聞の取材に「忙しいので応じられない」と答えた。

 一方、八代さんの肖像権などを保有しているという「八代ミュージック&ギャラリー」の大野誠代表取締役は名誉毀損(きそん)罪など「刑事民事を問わず、あらゆる手続きの準備を進めている」「極めて不愉快な出来事であり、絶対に許すことのできないもの」とする文書を発表した。インターネット上では発売を阻止するための署名が始まっている。

 ヌード写真について東京弁護士会の服部啓一郎弁護士は、「かつての同居相手が撮影したとされる極めて個人的なもの」とみる。八代さんがこれまでにヌード写真を公開した事実を確認できておらず、第三者への公表を承諾していたとは考えにくいと推察。「販売した場合、仮に希望者向けの特典であっても、リベンジポルノ防止法に違反する可能性は相当に高い」と指摘する。

 性犯罪に詳しい志學館大学法学部の淵脇千寿保准教授(刑法)は名誉毀損罪に当たるかどうかについて、「死者に対しては虚偽の内容を示した場合のみ罰せられるため、適用は難しいだろう」と分析する。他方で「本人が亡くなり、写真の公表を承諾したかどうか検証できないことを逆手に取り、死者の尊厳を踏みにじる許しがたい行為。発売は控えるべき」と批判した。

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