ヘアドネーションのために髪をカットし、家族と記念撮影をする後迫香凛さん(手前)=鹿児島市与次郎1丁目
心臓の病を乗り越えた鹿児島市の広木小学校5年、後迫香凛(かりん)さん(10)が、社会の役に立ちたいと髪の毛を医療用かつらのために寄付した。12日に髪を切り、「自分と同じように苦しい思いをした人に少しでも元気になってほしかった」と話した。
後迫さんは小学校入学前、心臓の一部に穴が開く心房中隔欠損と、肺静脈還流異常が見つかった。小学1年のとき手術したが、病状が改善せず福岡市の病院で再手術。入院の際、治療のため頭髪が抜けた子らがおり、父・剛さんと相談し、3歳から伸ばし続けていた髪を寄付することを決めた。
髪が痛まないようにカット当日までドライヤーのかけ方などにも気を配った。12日は剛さん、母・久美さん、姉・弥音(みおん)さんの4人で美容室に来店。約60センチ切り、5本の束にまとめた。人生2度目のカットで「軽くて乾かしやすそう」と笑みを浮かべつつ、「困っている人たちに役立ってくれるとうれしい」と話した。