〈イメージ写真〉獲物を運ぶハヤブサ
鹿児島県は20日、奄美市名瀬で回収したハヤブサ1羽から、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が確認されたと発表した。種子島以南の県内離島で陽性反応が出たのは初めて。高病原性かどうかの結果は数日後に分かる見込み。専門家は、奄美に生息するルリカケスなど希少種に感染する恐れもあるとして注意を呼びかけている。
ハヤブサは衰弱した状態で、19日に市街地の路上で発見された。環境省は回収地点から半径10キロを野鳥監視重点区域に指定し、県や奄美市は野鳥の監視を強化した。
県によると、100羽以上を飼育する農家は島内に5戸あるが、半径3キロ内にはない。3キロ内で少数を飼う2戸を含め、20日に聞き取り調査をしたところ、異常はなかった。21日は鹿児島中央家畜保健衛生所大島支所が防疫対策会議を県大島支庁で開催。生産者ら約20人に、防鳥ネットの点検や鶏舎に入る際の消毒徹底を呼びかけた。
鹿児島大学共同獣医学部の小澤真教授(45)=ウイルス学=は感染源について、奄美以南で越冬し、北上中のカモの可能性を指摘する。「野鳥間での感染が全国的に拡大している影響で、より南側にもウイルスが広がっている恐れがある」と話す。希少種などへの感染を防ぐため、死骸を見つけた場合は県や市町村に連絡し、回収してもらうことが大切だと訴えた。