市場で食用として売られていたキントキダイ、国内初確認だった 鹿児島大研究チームが確認 和名「ツバサキントキ」に

2025/05/05 15:32
国内初確認となったツバサキントキ(鹿児島大学総合研究博物館提供)
国内初確認となったツバサキントキ(鹿児島大学総合研究博物館提供)
 鹿児島大学総合研究博物館などの研究チームは、キントキダイ属の魚の一種を国内で初めて正式確認し、標準和名を「ツバサキントキ」にしたと発表した。口之島と与論島で採れた2匹を検証した。オニハゼ属の新種も笠沙沖で発見し、標準和名を「ホタルビオニハゼ」と名付けた。

 それぞれ2~4月、国内外の学術誌に掲載された。

 ツバサキントキは、ハワイやグアムで生息が知られていた。十数年前に県内の市場で食用として販売され、同属アカネキントキと分類。今回標本を再検証し、別種だと分かった。胸びれが長い特徴にちなんだ和名とした。鮮やかな赤色で、体長18~20センチ程度。深い岩礁域に生息する。名付け親で、博士課程2年の橋本慎太郎さん(26)は「まさか日本で見つかるとは思わず驚いた」と話した。

 ホタルビオニハゼの名は、水中で輝く背びれの青い斑点に由来。テッポウエビ類が海底に掘る巣穴を利用する共生ハゼ類で、奄美群島や伊豆諸島など、南日本の黒潮流域沿岸に広く生息すると考えられる。雄は背びれのとげが糸状に伸びるが、雌は全体的に丸みを帯びる。体長3~4センチ程度。

 ダイバーに人気の魚で、博士課程1年の佐藤智水さん(25)が潜って採取し調べた。「新種の可能性が指摘されていたが、証明できてよかった。新たな名前がなじんでほしい」と期待した。

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