姿を現したアマミノクロウサギ=2024年8月、奄美大島
環境省は2日、奄美大島と徳之島のみに生息する国指定特別天然記念物アマミノクロウサギの2024年の交通事故死は163匹(前年比12匹減)だったと発表した。国指定天然記念物ケナガネズミは42匹(同33匹減)。それぞれ、10年、4年ぶりに前年を下回ったが、いずれも過去2番目に多かった。
両島の内訳は、クロウサギが奄美大島で121匹、徳之島で過去最多の42匹。ケナガネズミは奄美大島39匹、徳之島3匹だった。事故は、奄美大島の県道名瀬瀬戸内線や国道58号、徳之島の県道松原轟木線で多かったという。
環境省によると、クロウサギの個体数は、外来種のマングースや野生化した猫(ノネコ)の対策により回復傾向にある。ただ交通事故死は近年増加傾向で、同省は「今回は減少したが、高止まり状態にある。夜間に運転する際は十分に注意を」と呼びかけている。
犬猫による両島での被害はクロウサギ23匹、ケナガネズミ3匹。いずれも前年より減ったが、ノネコのふんからは多くの希少種が検出され、同省は「引き続き対策が求められる」としている。