上昇する千葉工大の小型ハイブリッドロケット=4日午前11時すぎ、肝付町の岸良海岸
千葉工業大学(千葉県習志野市)は4日、鹿児島県肝付町の岸良海岸で、初の小型ハイブリッドロケット「きしら宇美亀(うみがめ)ロケット」を打ち上げた。目標高度170メートルに到達し、打ち上げは成功した。
ロケットは全長1.5メートル、直径15.4センチ、重さ8.3キロ。同日午前11時すぎに発射された。高度170メートルに達した頂点付近でパラシュートを開き、海面着水後に浮きが膨らんだ。機体は回収され、記録装置のデータを詳細に検証する。
初号機は推進剤に固体燃料と液体酸化剤を使っており、基礎的な打ち上げと洋上回収の技術確立が目的。千葉工大は昨年6月、宇宙産業の人材育成を目指す包括連携協定を肝付町と結び、岸良小学校跡地で準備を進めてきた。同大の和田豊教授(43)は「学生が一つ一つしっかり作業を行うことが成功に結びついた」と喜びを語った。
発射は肝付町との共催。町内ではこれまで、鹿児島大学などで構成する「鹿児島ハイブリッドロケット研究会」が辺塚海岸で小型ロケットを打ち上げてきた。岸良海岸での打ち上げは今回が初めてで、町は同海岸に射場を集約し、大学や民間企業と連携した地域興しを目指す。宇宙のまちづくり推進課は「打ち上げや開発の場として環境作りを進めたい」としている。