1カ月の超勤138時間、脳出血を発症し公務災害認定を受けた元職員と和解へ 鹿児島市、賠償金など7300万円を補正予算に計上

2025/05/09 06:03
 鹿児島市は8日、2025年度一般会計補正予算(7960万円追加、総額2954億3560万円)など、15日開会の市議会臨時会に提案する議案6件を発表した。補正では、過重な長時間勤務が原因で脳出血になり後遺障害が残った市教育委員会の元職員への損害賠償金7300万円を計上した。

 市教委学校教育課によると、元職員は20年7月、勤務中に脳出血で緊急搬送された。22年3月に公務員の労災にあたる公務災害に認定。23年10月、市に安全配慮義務違反があったとして、1億7622万円の損害賠償を求める訴えを鹿児島地裁に起こしていた。現在は和解に向けて進んでおり、補正には元職員への賠償金のほか、市教委側の弁護士費用660万円も盛り込まれた。

 同課や訴状によると、発症前1カ月の時間外勤務は、自宅作業を含めて138時間超に上る。通常業務に加え、新型コロナウイルス下での市民の問い合わせや市議会の答弁対応などで、徹夜を含む長時間勤務を余儀なくされた。

 そのほかの議案は、27年2月完成を目指す義務教育学校「桜島学校」の新築工事請負契約関連3件など。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >