野菜作りについて市農林事務所職員のアドバイスを受ける利用者=鹿児島市川上町
家計の助けにも健康増進にも-。鹿児島市で近年、市民農園の人気が高い。複数年の継続利用が多い中、4月からの新規も加わり、借りた農園で土に親しむ姿が見られる。
市内には、市都市農業センター(犬迫町)の家族用市民農園766区画のほか、農家でつくる管理組合の農園7カ所、市と協定を結んだ個人農園5カ所がある。同センターでは本年度、262区画の募集を上回る320件の応募があった。管理組合では、伊敷農園(川上町)が71区画のうち、新規19区画の募集に32件応募があり抽選となった。ほかの農園もほとんど空きはない。
4月23日、伊敷農園では新規利用者の入園式があった。伊敷団地と緑ケ丘団地に近い住宅地の外れ。木立に囲まれた農園は、20平方メートルに区切られた区画が整然と並ぶ。継続利用者が栽培するタマネギやエンドウなどの野菜が、青々とした葉を茂らせている。
園主の玉利たき子さん(68)宅では、トイレや収納庫など共同利用施設の説明の後、市農林事務所職員が土作りや種まきなど栽培の基礎を講習。玉利さんによると、退職した高齢者が多く、毎日のように訪れて作業する人が多い。
伊敷5丁目の本田悦子さん(75)は「抽選は外れたが、空きが出て借りられた。土に触れると元気になる。ナスやピーマンを植えようと思う」と借りた区画を確認していた。