レブナイズのプレーオフ開催でにぎわう西原商会アリーナ。改修が予定されている=3日、鹿児島市
8季ぶりにBリーグ2部(B2)の舞台に帰ってきた鹿児島レブナイズが躍進した。西地区2位でプレーオフに進出した強さの要因と、ファンを急速に拡大しているクラブの取り組みや将来像を探る。
シーズン終盤の4月、鹿児島レブナイズにB1ライセンス取得の吉報が届いた。プレーオフの決勝まで上がれば最高峰のB1に昇格できる資格を手にし期待は高まった。
懸念材料だったのは、審査したBリーグ理事会で3月に継続審議の理由となったアリーナの座席数問題だった。レブナイズが主会場とする西原商会アリーナは現在観客席を約4000席で運用している。立ち見も含めれば基準の5000席を満たせると判断された。
プレーオフ準々決勝で敗れ、B1の夢は絶たれた。来季は再びB2でプレーし、2026年秋に再編される新リーグでは2部相当のBリーグ・ワン入りを目指す。
Bリーグ・ワンは、入場者数平均2400人、売上4億円、現B1相当のアリーナなどの基準があり、今秋に審査が始まる。
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今季の数字で見ると、入場者数は2583人と2季連続で達成。売上も6億5000万円ほどを見込む。アリーナはホームタウンの鹿児島市が西原商会アリーナの改修を予定。新リーグ開幕後しばらく使用できない見込みだが、改修時の特例で入会を目指す。
改修は昨年につり天井の耐震工事が入札中止となり、2年間延期された。大型ビジョンなどエンタメ設備の導入、5000以上の座席確保などが予定され、28年秋からの利用を目指す。
県が鹿児島港本港区に新総合体育館を計画しているが、レブナイズの有川久志社長は「西原商会アリーナをホームにすることに変わりはない」と話す。
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新Bリーグの最上位は「米NBAに次ぐ世界2位のリーグ」を目指すB・プレミア。競技成績での昇降格はなく、入場者数4000人以上、売上12億円など基準が高い。
レブナイズは来季の売上目標として8億円を掲げ、Bリーグ・ワン入り後に実績を積み重ねて経営地盤を固める方針だ。
有川社長は「アリーナ改修時は地方での開催も増える。広く認知してもらえる機会」と前向きにとらえ、「改修が終われば新アリーナ効果で集客も見込める。プレミアも夢ではない」と見据える。
「鹿児島ショータイム」をスローガンに躍進してきたレブナイズ。バスケットボールという競技の枠を超えて新たな体験・価値を創り上げ、鹿児島を創生する-。クラブの取り組みに今後も目が離せない。
=おわり=