伊田正則氏
前町長の任期途中の辞職に伴う鹿児島県伊仙町長選は11日投開票され、いずれも無所属新人で、元町教育長の伊田正則氏(66)が、元高校校長の盛初弘氏(63)との一騎打ちを制し、初当選を果たした。町長が代わるのは24年ぶり。
伊田氏は、町議会での議決が町長派と反町長派の対立に左右されているとし派閥解消を訴えた。町民主体の町づくりを進め、全集落で座談会を開くと強調。小中学校の学習環境の充実やペレット堆肥の普及にも意欲を見せ、農家や子育て世代など幅広く支持を集めた。前町長の支援も受けた。
盛氏は、稼ぐ力の向上を最優先課題とし営農指導や6次産業化の推進を掲げた。町民参加の政策立案や、若年層、教育支援の強化を唱え、草の根運動を展開したが及ばなかった。
町長選は激しい選挙戦が繰り広げられてきた。前町長の大久保明氏(70)は6期目途中の3月下旬、「過熱を防ぐためには一刻も早く選挙をするのが重要」と約半年の任期を残す4月26日付での辞職を表明した。
当日有権者数は4899人(男2475人、女2424人)。投票率は92.53%で、前回2021年を0.32ポイント下回った。