万歳三唱をして初当選を喜ぶ伊田正則さん(中央)=11日午後9時50分ごろ、伊仙町伊仙
無所属新人同士の一騎打ちとなった11日の鹿児島県伊仙町長選は、元町教育長の伊田正則さん(66)が285票差で勝利した。町政を巡る派閥解消と全員が町政に参画できる町づくりを一番に訴えてきたとし、「町を盛り上げるため、みんなで考える雰囲気をつくる」と決意を語った。
午後9時すぎ、当選の報を受けた伊仙の事務所では、「ワイド、ワイド」の掛け声や太鼓の音が鳴り響くお祭り騒ぎとなった。伊田さんは大勢の支援者に迎えられ、握手や万歳で喜びを分かち合った。
前町長から後継指名を受け、任期途中の昨年7月末に教育長を辞職。敗れた元高校校長の盛初弘さん(63)は反町長派が推し、過去の選挙と同様に町を二分する激しい争いとなった。
伊田さんは報道陣に「議論が町民のためになっているか。議会と互いに問い続けたい」と抱負を述べた。教育畑を歩んできた経験に触れ、「子どもたちが夢の多い人生を歩むため、教育環境の整備に取り組む」と意欲を示した。
盛さんは「ここまで差が付くと思っていなかった。敗因は思い付かない」と言葉少なだった。
投票率は92.53%で、前回2021年を0.32ポイント下回った。