特攻作戦が本格化する前の串良基地をグラマンが集中攻撃…米軍撮影の映像を「豊の国宇佐市塾」が公開

2025/05/13 17:00
迷彩が施された串良海軍航空基地の滑走路へ向かう米軍機の機銃弾=同3月29日(豊の国宇佐市塾提供)
迷彩が施された串良海軍航空基地の滑走路へ向かう米軍機の機銃弾=同3月29日(豊の国宇佐市塾提供)
 大分県宇佐市の豊の国宇佐市塾(平田崇英塾頭)は、太平洋戦争中の米軍撮影映像を解析している。10日公開した映像には、1945(昭和20)年の薩摩川内市下甑町の釣掛埼灯台や、鹿屋市串良の串良海軍航空基地の襲撃が含まれる。

 釣掛埼灯台は8月12日、沖縄から出撃した米陸軍戦闘機P51の執ような機銃掃射で白煙に包まれた。同塾が入手した戦闘報告書によると、P51の主任務は友軍搭乗員の救出に向かう飛行艇の護衛だった。帰途、積んできた弾薬を活用する「臨機目標」として同灯台が選ばれた。

 同塾の織田祐輔さん(38)は「灯台は物流を阻害するため、目標によく選ばれた」と話す。戦後、仮復旧したものの、戦災のダメージの大きさなどから51年、北に30メートル離れた現在地に新たな灯台が建てられた。

 串良海軍航空基地の襲撃は3月29日。米海軍機動部隊のグラマンF6F戦闘機がロケット弾や機銃で、格納庫や滑走路を集中攻撃している。目立つのは滑走路に施された迷彩。この後本格化していく沖縄への航空特攻作戦を前に、空襲被害を極力抑えようとした、日本軍の努力がうかがえる。

 映像は今月17日まで南日本新聞のホームページで視聴できる。

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