892人中たった9人の難関――57歳の警察官剣士が6度目の挑戦で8段突破 「気剣体の一致」へ鍛錬の日々

2025/05/15 11:36
剣道8段に昇段し、教え子から祝福される野間亮二さん=鹿児島中央警察署
剣道8段に昇段し、教え子から祝福される野間亮二さん=鹿児島中央警察署
 剣道8段の合格者は892人中たった9人。その難関を、鹿児島中央警察署の野間亮二さん(57)が、6度目で突き破った。同署にある少年団の指導部長を務め、子どもたちと竹刀を交えることもしばしば。「今後の指導に生かしたい」と力を込める。

 審査会は1日、京都市のかたおかアリーナ京都であった。気合と竹刀の動き、体さばきを同化させる剣道の基本「気剣体の一致」に手応えがあったという。けがで集中力を欠いていたこれまでと違って、1次、2次審査ともに「ここぞの場面でしっかり打ちきれた」と振り返った。

 週3回は、鹿児島中央署の道場で「太陽少年剣道クラブ」を指導する。12日の稽古を終え、教え子たちから祝福の言葉を浴びた。高校生から昇段祝いの花束をもらい、顔をほころばせた。

 兄に憧れて、小学3年から胴着をまとった。全国高校総体への出場経験もある。今は週2回の朝稽古で汗を流し、週末は姶良市や日置市で腕を磨く。範士8段のベテランから、直接指導を受けられる稽古会にも出向いた。

 「いくつになっても学びがある」と競技の奥深さを語り、「礼節を重んじる日本の伝統文化を、子どもたちにも伝えたい」と話した。

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