長く住民に親しまれる「草牟田地域コミュニティ新聞」
鹿児島市の草牟田地区で36年続くミニコミ紙がある。域内6町内会公認の「草牟田地域コミュニティ新聞」。1989年に「Weekly Somuta」として創刊以来、住民に深く親しまれ、今月号で通算1675号になった。
草牟田1丁目の自営業、中迫浩さん(67)が祖父の代から続く新聞販売店を継いだのを機に創刊。読者から寄せられる地域情報のうち、新聞に掲載しきれないニュースをフォローしてきた。当初は週刊でB4判の裏表が基本。取材から執筆、紙面編集まで1人でこなし、金曜日の朝刊に折り込んで配達した。最盛時は3200部発行していた。
配達区域が草牟田小学校区とほぼ重なるため、学校行事はほとんどカバー。町内会の催しもまめに顔を出した。紙面にはできるだけ写真を使い、多くの子どもを登場させた。掲載できなかった写真も含めて地元のスーパーに掲示し、希望者に配ったこともある。
2023年4月で新聞販売店をやめた際に月刊の4ページに衣替え。約3000部を町内会を通じて配っている。各町内会役員会での質疑や卒業式での式辞、教職員の異動名簿など、小まめな情報は健在だ。
中迫さんは「紙面に載ったことが学校で子どもたちの話題になったと聞くとうれしい。地域への恩返しとして、可能な限り発行を続けたい」と話している。