県の新総合体育館事業が計画されるドルフィンポート跡地(中央)=鹿児島市、2024年1月、本社チャーター機から撮影
鹿児島県の塩田康一知事は16日の定例会見で、鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地で整備を計画する新総合体育館の設計に関連する予算議案を、6月4日開会の県議会6月定例会に提出する考えを表明した。基本・実施設計などの費用を、複数年度に分けて予算計上する「債務負担行為」として設定するほか、交通量調査費や設計事業者の選定経費など総額約9億円となる見込み。近く発表する2025年度一般会計補正予算案に盛り込む。
初期投資の圧縮に向けメインアリーナの客席を8000席から7000席にする案の検討状況に関しては「席を減らせば経済波及効果は下がる。どちらを重視するのかとの指摘もある」とした上で、「どうするかは補正予算案の発表時に担当課が説明する」とした。
新体育館は、整備・運営までを含む事業費が資材価格や人件費の高騰で基本構想の約2倍に当たる488億円に膨らんでいる。塩田氏は県議会でより正確な建設費の提示を求められたことを踏まえ、「議論を深めるには、できるだけ早く設計をしていくことが必要」と判断。関連経費を6月議会に提案する方向で、最終的な金額の精査を進めていると明かした。
債務負担行為は複数年にまたがる事業の支出を約束するもので、議会で可決された場合、設計に進めることになる。
新体育館事業に伴う30年間の一般財源負担額は、毎年約10億円としており、塩田氏は「10億円であれば安定的な財政運営は可能だ。県民の皆さんにも理解をいただき進めたい」と語った。