警察官などを装いうその電話をかけ、鹿児島県内の70代女性から現金約2800万円をだまし取ったとして、南さつま署と県警組織犯罪対策課は16日、詐欺の疑いで、マレーシア国籍の住所、職業不詳の男(35)を逮捕した。受け子目的で来日した可能性が高いとみて捜査を進める。
逮捕容疑は3月下旬から4月22日までの間、氏名不詳者らと共謀。警視庁の警察官や検事などになりすまして女性に複数回電話をかけ、口座から全額を引き出させると「袋に入れて自宅の前に置くように」と指示し、現金の入ったバッグを持ち去った疑い。
同課によると、電話で警察官などを装った人物は「あなたの口座の預金が勝手に引き出されている。犯人逮捕のためには残高の紙幣番号を調べる必要がある。全額引き出して自宅に保管するように」と話した。被害に気付いた女性が110番し発覚、防犯カメラの映像や他県警などとの連携により特定した。容疑者が出国のため関西空港に現れた際に逮捕した。
同課は、認否を明らかにしていない。海外発信の番号からの電話もあり、かけ子の拠点は海外の可能性が高いとみている。同課は「警察が捜査目的で金銭を要求することはない。警察を自称する人物から金銭の話をされたら詐欺を疑い家族や警察に相談を」とし、警察相談専用電話「#9110」の活用を呼びかけている。