トランプ米大統領が登場する黒板画(森山隆之さん提供)
鹿児島市西田1丁目の青果店「もりやま商店」の店長、森山隆之さん(48)は約10年間にわたり、自作の黒板画を店のシャッターに飾り続けている。これまで描いたのは季節の野菜から、トランプ米大統領を描いた風刺画まで400枚以上。道行く人も思わず足を止め、見入っている。
子ども時代から絵を描くのは好きだったが、本格的に美術を習った経験はない。37歳ごろから、店のシャッターに所々浮かんでいたさび隠しのため黒板画を描き飾り始めた。「最初は文字だけを書き、少しイラストを添えるだけだった。褒めてくれる人も出てきて絵も大きくなった」と振り返る。
黒板画はチョークの色があせてきたタイミングで描くため、制作のペースは月3点ほど。さまざまな色のチョークを用いて縦60センチ、横90センチの黒板に2時間弱かけて完成させる。チョークを手指の腹でこすって薄くのばしたり、黒い背景を生かして野菜の色の濃淡を出したりする工夫もしている。
絵は、話題のニュースなどからも発想を得ている。過去には落花生とオリンピックのイメージを融合させた「Peanuts 2024」の文字や、クリスマスツリー、正月の門松も表現した。
過去の作品はX(旧ツイッター)「もりやま商店(黒板)」のアカウントから閲覧できる。森山さんは「絵を描くことがもう日常の業務になっている。もし黒板に描きたい人がいれば、やり方を教えたい」と笑った。