報道陣に公開された温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」=20日、南種子町の種子島宇宙センター
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」を南種子町の種子島宇宙センターで報道陣に公開した。H2Aロケットの最終号機となる50号機に搭載し、6月24日未明に同センターから打ち上げる。
地表や海面から放射されるマイクロ波から海面水温や降水分布を推定。台風や集中豪雨の予測精度向上につなげる。二酸化炭素などの温室効果ガスも広域かつ精密に計測し、平均濃度を監視する。
重さは約2.6トン、太陽電池パネルを広げると23メートルの大きさになる。設計寿命は7年以上で、開発費は481億円。気候変動の把握に向け、現在運用中の水循環変動観測衛星「しずく」と、温室効果ガス観測衛星「いぶき」「いぶき2号」の両方の役割を担い、精度も上がる。
JAXAの小島寧(やすし)プロジェクトマネージャーは「1年後の定常運用を目指す。精度の高いデータを提供し続けることが重要」と話した。