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日本看護協会は、看護職員の離職状況をまとめた「2024年病院看護実態調査」の結果を公表した。鹿児島県は、既卒採用者の離職率が大分県に次いで全国で2番目、正規雇用者の離職率も九州で最も高かった。医療従事者の人手不足が指摘される中、厳しい実態が浮き彫りになった。
調査は看護師と保健師、助産師、准看護師が対象。同協会が労働状況や看護業務の実態を把握するため、毎年実施している。今回は23年度の状況について、県内53医療機関が回答した。
鹿児島県内の離職率は、既卒採用者が22%(前年度比2ポイント増)、正規雇用者は13%(同0.6ポイント増)、新卒採用者は9.1%(同1.1ポイント増)だった。
県看護協会によると、既卒者の離職率は以前から20%前後で推移していたが、05年の調査開始以来初めて、新卒者の離職率も全国平均を上回った。
八田冷子会長(69)は「現場の看護職不足は深刻。処遇改善や既卒の教育体制など、県全体で問題に取り組んでいかなければならない」と危機感を募らせる。新卒者の状況についても「より詳しい実態をつかみ、分析する必要がある」と話した。