〈資料写真〉2019年9月に発生した赤潮で、穴に埋設される死んだ養殖ブリ=長島町鷹巣
鹿児島県は22日、鹿児島湾奥で赤潮の原因となる有害プランクトン「ヘテロシグマアカシオ」が増殖しているとして、赤潮警報を出した。現時点で漁業被害は確認されていない。鹿児島湾での警報発令は2024年2月以来。
県によると、19日に垂水市牛根漁港でヘテロシグマが確認された。21日には湾奥部で着色域が見られ、隼人沖では1ミリリットル当たり2万9800細胞を検出した。ヘテロシグマの致死細胞密度はブリで10万細胞、カンパチで3万細胞とされる。
同湾の海水温は21日現在22度前後で、増殖に適した温度になっている。降雨で窒素やリンなどの栄養塩が陸地から供給されることが想定されるため、拡大する恐れがある。
同湾では01年にヘテロシグマが原因でカンパチ、ブリなど約計7万8000匹が死に、被害額は1億3500万円だった。県は漁協との連絡体制を強化。漁業者に餌止めやいけす避難を検討するよう呼びかけている。