備蓄米、ひとまず確保できそうだけど…「精米所がない」「国の輸送費負担はどこまで?」 地方や離島は依然やきもき

2025/05/30 06:57
6月初旬からの備蓄米販売を見込むフレッシュフィールドなりざわ中山店=29日、鹿児島市東谷山7丁目
6月初旬からの備蓄米販売を見込むフレッシュフィールドなりざわ中山店=29日、鹿児島市東谷山7丁目
 随意契約による政府備蓄米について、鹿児島県内では29日、タイヨー(鹿児島市)の1500トンの申請が確定した。同じく確定した大手小売りに加盟する県内スーパーでは来週中の販売に動く店もある。一方で、精米設備の有無や長距離輸送が課題となりそうだ。

 系列を含め県内76店舗を持つタイヨーは、さつま町の精米業者に処理を委託した。精米後、鹿児島市の自社物流センターに集め各店舗へ配送する。仕入れ担当者は「まずは確保できそうで安心した。精米業者と協議を続けて、少しでも早く消費者に届けられるよう努める」と力を込めた。

 県内15社を含む全国の中小店舗で構成するシジシージャパン(東京)は5000トンを申請、加盟者の希望に応じて振り分ける。加盟するなりざわ(鹿児島市)はまずは1トンを希望。ただ、輸送コストの観点からトラックの輸送量に合わせた10トンを求められた。

 なりざわは、伊佐市で精米を手がける業者と連携して、早ければ6月5日からの販売を見込む。成沢洋社長(62)は「実際、どの程度の量が届くのか分からない。多くなれば保管場所も人手も必要になる。まだ不透明な部分も多い」。

 同じく加盟していても、入荷の見通しの立たない店舗や離島の店舗は気をもむ。山形屋ストア(鹿児島市)は30トンを求めているものの、入荷の可否も未定という。

 ある離島の店舗は2トンを希望する。島内に精米所はなく、離島輸送費まで国が負担してくれるのかも分からない。担当者は「精米や輸送のコストを踏まえ店頭価格を決めたい。2000円台後半になるかも」と話した。

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