俳優・中山優馬さん、特攻隊員の「感情やリアルを背負い、伝えたい」…主演の舞台「あゝ同期の桜」控え鹿屋を訪問

2025/06/09 21:07
特攻にまつわる模型や史料を見学する俳優の中山優馬さん(左)=5日、鹿屋市の鹿屋航空基地史料館
特攻にまつわる模型や史料を見学する俳優の中山優馬さん(左)=5日、鹿屋市の鹿屋航空基地史料館
 俳優の中山優馬さん(31)が、7、8月に上演される特攻隊員をテーマとした舞台「あゝ同期の桜」の役作りのため、太平洋戦争中に海軍基地から多くの特攻隊員が出撃した鹿屋市を訪れた。鹿屋航空基地史料館や市内の戦跡を巡り、隊員に思いをはせた。

 上演されるのは、海軍飛行予備学生十四期会による遺稿集「あゝ同期の桜・帰らざる青春の手記」を元に、1967(昭和42)年に国立劇場で初演された作品を再構成したもの。俳優としても活動する錦織一清さんが演出を手がけ、戦後80年の記念作品として上演する。

 主演の中山さんは今月5日、同史料館で隊員の遺影や遺書、ゼロ戦の復元機などを見学。その後、空襲などから飛行機を守るために笠野原基地で使用された川東掩体(えんたい)壕、串良基地から飛び立った特攻隊員の突撃前の最後の電信を受信していた地下壕第一電信室も訪れた。

 中山さんは「実際の手記を目にしたり、土地の空気に触れたりすることができた。残された資料を学ぶことで当事者の感情やリアルを背負い、かつて起きたことを伝えたい」と力を込めた。脚本の上田浩寛さん(64)は「夢や未来を諦めなくてはならなくなった学生らの葛藤や決意を描く。若い人に今後生きていく上での糧にしてほしい」と話した。

 舞台は7月26、27日に大阪市の松下IMPホールで4公演、8月13~19日に東京都中央区の三越劇場で12公演ある。6月27日からイープラスなどで一般発売。問い合わせはアンクル・シナモンにメールunclecinnamon@ymail.ne.jp

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