大雨の影響で斜面から流れ出した土砂=9日、指宿市山川福元
梅雨前線の北上に伴い、鹿児島県本土は10日明け方にかけて、各地で大雨となった。大隅地方では9日夜に線状降水帯が発生。人的被害はなかったが、床下浸水やがけ崩れの被害が相次いだ。前線は11日にかけて南下する見込みで、鹿児島地方気象台は土砂災害への警戒を呼びかけている。
8日午前0時の降り始めから10日午前10時までの降水量は、指宿市435ミリ、肝付町前田382.5ミリ、同町内之浦322.5ミリ、鹿屋市寿304.5ミリとなった。
鹿児島県によると、肝付町で床下浸水3棟の被害が確認された。同町では車両2台が水没、道路も1カ所陥没した。鹿屋市は道路ののり面崩落5カ所、民家裏の土手崩落3カ所を確認した。指宿市によると10日午前10時現在、土砂崩れなどで市内の道路8カ所が通行止めになっている。
JR九州は10日の始発から指宿枕崎線の五位野-枕崎間で運転を見合わせた。午前11時現在、喜入-枕崎間で運転見合わせが続いている。
気象台は、県本土では引き続き11日夜遅くにかけて、非常に激しい雨が降る恐れがあるとしており、これまでの大雨で地盤が緩んでいる所などでの土砂災害に警戒を呼びかけている。