アマミホシゾラフグの産卵床=7日、大島海峡(興克樹さん提供)
奄美大島と加計呂麻島の間の大島海峡で、アマミホシゾラフグが繁殖期を迎えている。水深29メートルの海底に浮かび上がった直径2メートルの産卵床は、まるでミステリーサークルのよう。奄美海洋生物研究会の興克樹会長(54)が7日撮影した。
産卵床は波模様の二重円構造。繁殖期の4〜7月、雄がひれで砂をかき分けたり、貝殻を運んだりして一週間かけて完成させる。雌を呼び込むための目印や、潮の流れから卵を守るためとみられる。
興会長によると、雄が雌の頬を押さえ、寄り添うようにして繁殖する。雄は卵がふ化するまでの約1週間、天敵から産卵床を守る。
アマミホシゾラフグは体長10〜15センチ。2014年に確認された新種で、体の斑点模様が星空に見えることから名付けられた。興会長は「不思議な生態とかわいらしい見た目が特徴。これからも見守りたい」と話した。