増殖につながる稚魚放流せず――県が広瀬川漁協への補助打ち切り 鉄道役員ら拘束で地元市長も総合調整権を行使

2025/06/19 06:23
 鹿児島県出水市の広瀬川漁業協同組合に対し、県が稚魚の放流などを求める増殖命令を出している問題で、県は18日、本年度の内水面資源保全対策事業で同漁協を補助対象から外したことを明らかにした。県は「漁業に関する法令を順守せず、補助する団体として適格性を欠いている」としている。

 県議会産業経済委員会で委員の質問に答えた。県水産振興課によると、これまで対象となっていたのは、米之津川で行っていた外来魚の駆除とカワウの被害対策。県内水面漁連が業務委託する形で広瀬川漁協はそれぞれ年間100万円、40万円の補助を受けていた。

 同漁協を巡っては、米之津川の鉄橋補修工事を計画した肥薩おれんじ鉄道の役員らを漁協理事が長時間拘束し、漁業権とは関係のない批判を繰り返したとして、出水市の椎木伸一市長が地方自治法に基づく総合調整権を行使。監督する県は「事実を確認中」としている。

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