新総合体育館について委員に説明する当局=18日、県議会全員協議会室
鹿児島県議会文教観光委員会は18日、県が鹿児島港本港区ドルフィンポート跡地に計画する新総合体育館整備事業の9億円に上る設計関連予算議案と、事業の賛否を巡る陳情85件を審査した。当局は「実際の建設費を示すため設計費は必要経費」と繰り返し理解を求めた。2時間余りの質疑に委員長は「議論を尽くした印象」と述べた。委員会は「県民の関心が高い問題」とし、予備日の20日に審査と議案・陳情の採決を持ち越した。
インターネット中継された新体育館の審査は、午後1時25分に開始。議会ではこれまで委員外議員の参加を認め集中審議した例もあるが、今回は通常の審査とした。観光・文化スポーツ部など当局の説明は1時間10分に及び、実際の質疑は2時間10分。5時25分に散会した。
正副委員長以外の8人全員が質問。無所属の橋口住眞氏は陳情で要望の多い県民投票をしない理由を当局が「県議会の議論に制約を与える可能性もある」と説明したことを疑問視。「県民投票は県民が議会に信を問う制度。住民が何を考えているか受け止める意義がある」と訴えた。
自民の永井章義氏は新体育館建設後に想定される多目的利用の中身を問い「想定したほど利用がなければ話にならない。プロモートをしっかりやらないといけない」と要請。自民の寺田洋一氏は「体育館は教育施設で、将来を担う子どもたちのための資産。建物は維持管理費がかかるのが当たり前」と指摘した。
西博夫参事は、整備地の再考を求める陳情に対し「建設費はどこに整備しても同程度の金額が見込まれる」とし、「にぎわい拠点の形成を図るコンセプトとも整合するため、ドルフィンポート跡地にふさわしい施設」と主張した。
自民の岩重礼委員長は「議論は尽くした印象。整備地の説明も、委員の中である程度の納得感はあったと思う」と総括。審議時間に関し「体育館以外も審議することを考えると妥当だ」と述べた。委員会は20日午前10時から再開。ネット中継し、傍聴席20席も設ける。足りない場合は別室で音声配信する。