ユーモアを交え遠距離介護を語る柴田理恵さん=鹿児島市中央公民館
俳優の柴田理恵さん(66)が、遠距離介護をテーマに鹿児島市中央公民館で講演した。母親の介護で富山県の実家と東京を行き来した7年間を振り返り、「医療や介護のプロを信頼し、幸せな介護ができた」と語った。
柴田さんの母親は88歳で腎盂(じんう)炎を患い要介護4と判定された。回復と共に介護レベルは下がったが、1人暮らしの自宅に住み続けたいと強く望んだという。娘としても住み慣れた故郷がいいと考え、病院や施設職員を信頼し、託すことを決めた。
介護を頼る代わりに、里帰りの際には母親と職員の伝達役を担った。母親がやりたいことを職員と共有し、職員が日々の介護で気になった点についても母親に真意を確かめて意思疎通に努めた。
母親は1月、95歳で他界。柴田さんは「献身的な介護が親孝行との考えもあるが、親が同じ考えとは限らない。プロに任せ、程よい距離を保つこともこれからの介護には必要」と語った。
講演は鹿児島噴火介護サミット(全国介護事業者連盟鹿児島県支部主催)の一環で、14日あった。関係者ら約300人が参加した。