個性的な作品を熱心に鑑賞する来場者=24日、鹿児島市の市立美術館
第55回南日本写真展(南日本新聞社主催、国産オリーブSANTA特別協賛)が24日、鹿児島市立美術館で開幕した。多様な表現で作者それぞれの物語が息づく入賞入選作に、審査員の作品を加えた計322点が並ぶ。29日まで。
同展は1971(昭和46)年、写真家の木村伊兵衛氏らを審査員に迎えスタート、県内の写真愛好家の目標になってきた。今回で終了する。
単写真と組み写真の2部門に3〜95歳の328人から1136点の応募があった。最高賞の南日本新聞社賞に輝いた同市の亀田晃一さん(56)の単写真「出会い」は、桜島と上空に現れた彗星(すいせい)を収めたダイナミックな星景写真。会場には自然や人々の営みのほか、戦後80年に思いをはせた南九州市の知覧特攻平和会館周辺の風景や旧日本軍の戦闘機を捉えた作品も見られ、来場者は足を止めてスマートフォンのカメラで撮影していた。
地域の講座で写真を学ぶ姶良市の橘木ツギ子さん(77)は「技術的に高度な作品があり刺激を受けた。難しいけど挑戦したい」と話した。一般700円、高校生以下無料。