鹿児島県政の長年の懸案、新体育館計画を参院選候補者はどう考える? 立候補予定の4人が持論を展開

2025/06/25 11:00
県の新総合体育館事業が計画されるドルフィンポート跡地(中央)=鹿児島市、2024年1月、本社チャーター機から撮影
県の新総合体育館事業が計画されるドルフィンポート跡地(中央)=鹿児島市、2024年1月、本社チャーター機から撮影
 鹿児島県が鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地(鹿児島市)に計画する新総合体育館の約9億円に上る設計関連予算議案が26日の県議会6月定例会の最終本会議で可決される見込みとなった。メインアリーナは8000席規模で、建設費は推計423億円。県都のまちづくりに影響を与える一大プロジェクトについて、参院選鹿児島選挙区(改選数1)に立候補を予定する4人の考えを尋ねた。

 新総合体育館は紆余(うよ)曲折を経た県政の長年の懸案でもある。

 自民党元職の園田修光氏(68)は「もう少し早く建設するべきだった」と指摘。整備場所については「離島から来る皆さんの玄関口に当たる」と肯定的に捉え「設計が(県議会の委員会で)認められたが、どういう形の、どういった施設を造っていくかはこれからの問題。私自身、静かに見守っていきたい」と述べた。

 一方、ほかの3人は場所についてそれぞれ持論を展開した。

 共産党新人の松崎真琴氏(67)は県議時代から新体育館問題と向き合ってきた。知事が代わるごとに建設場所が二転三転してきた経緯を踏まえ「跡地は桜島を望み、多くの人が回遊する場所。多額の事業費を要するだけに、住民の合意形成の過程をもっと大事にし、しっかり意見を聞いて考えてほしい」と呼び掛けた。

 参政党新人の牧野俊一氏(39)は津波被害などを想定し「避難施設の機能を持つ体育館を造るならもう少し標高が高いところがいい」と訴える。眺望に優れたドルフィン跡地を巡っては、離島向け航路が集まる特徴を生かし、「離島の産業や観光と触れ合える施設や、無料で来られる公園であることも重要だ」とした。

 立憲民主党が推薦する無所属新人の尾辻朋実氏(44)は「県議会で議論を積み重ね、今後もインフレなどで資材が安くなることは考えにくく、急がなければならないのかなと思う」と語った。一方、「私個人としては、本当にあそこでいいの、という思いはある。知事の考えや県議会の議論を見ていきたい」とした。

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