〈資料写真〉建設から100年以上が経過する広瀬川橋梁。補修を巡って漁協理事が長時間の批判を繰り返した=18日、出水市
鹿児島県出水市長から「総合調整権」を2度行使された広瀬川漁業協同組合について、市議会は25日の最終本会議で、鹿児島県に漁協への改善命令などの措置を求める意見書を賛成多数、漁協に誠意ある行動を求める決議を全会一致で可決した。記名投票で、意見書は賛成14、反対1だった。
漁協は米之津川の漁業権を持ち、県が監督する。
提出者の宇都修一議員が「県の指導は十分に発揮されているとはいいがたく、漁協の対応は改善されていない。これ以上看過できない」と意見書を読み上げ、執行体制の刷新指導などを要望。決議は、漁協に総合調整権に基づいた迅速かつ誠実な対応や、説明責任を果たすことを求めた。
漁協の中村良明組合長は取材に「県の指導には真摯(しんし)に対応したい」と話した。
市などによると、肥薩おれんじ鉄道の鉄橋補修を巡り、漁協理事が2021年10月、同社役員らを長時間拘束し、批判を繰り返した。23年11月は農業用水路の修繕で、市内の環境保全会に約1時間にわたり「不適法な工事」などと発言した。議会はこの2件で、市長が漁協に総合調整権を行使できる議案を本会議でそれぞれ可決している。