特殊詐欺には大人の「いかのおすし」が効く? 鹿児島県警が被害者の行動に着目し考案 「冷静さ取り戻して」

2025/07/01 18:00
詐欺被害防止へ「大人のいかのおすし」を周知する警察官=6月20日、鹿児島市の鹿児島大学
詐欺被害防止へ「大人のいかのおすし」を周知する警察官=6月20日、鹿児島市の鹿児島大学
 詐欺被害防止へ、鹿児島県警は大人向けの「いかのおすし運動」と題した啓発活動をしている。5月末現在、県内で認知したうそ電話詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺は計220件、約9億3700万円(前年同期比93件増、約900万円減)で、年代を問わず被害が絶えない。県警は「『大人のいかのおすし』で自分の身を守る意識を高めてほしい」と訴えている。

 被害者の行動に着目し、水際で防ぐ狙い。「言いなりのままATMに『い』かない」「相手に言われて電子マネーを『か』わない」「うまい話に『の』らない」「怪しいURLを『お』さない」「おかしいと思ったら家族や警察に『す』ぐ『し』らせる」とした。

 考案者は県警高速道路交通警察隊の坂口洋介警部補(49)。錦江署地域交通課長の時、高齢者に限らずどの年代もだまされる状況を重く見て昨年10月に作成、今年2月から周知を始めた。覚えやすいように子ども向けの防犯標語「いかのおすし」と関連させた。坂口さんは「あわやという時に冷静さを取り戻すきっかけになれば」と話している。

 県警によると、うそ電話詐欺被害は20代が最多の35件、次いで30代の23件だった。SNS型投資・ロマンス詐欺は50代が28件と最も多く、40代の17件が続いた。送金方法はいずれも振り込みが6割を超える。

 県警生活安全部の楢原貞行管理官は「身を守るには手口を知ること。家族らとの情報共有が助けになる」と語った。

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