やすら浜港に係留する巡視船「さつま」=7日、十島村悪石島(第10管区海上保安本部提供)
不測の事態に備え、鹿児島県十島村悪石島のやすら浜港に係留する第10管区海上保安本部の巡視船「さつま」と県警の警備艇は、島民が入浴や仮眠できるよう船内を開放した。村の要請を受けて決めた。
7日午前に鹿児島市の村役場であった会見で、久保源一郎村長が明らかにした。同日午前9時から午後4時まで、両船艇に休憩所を開設した。仮眠や休憩ができるほか、巡視船では入浴もできる。10管や県警によると、今後も村の要望に応じて対応する。
久保村長は船の活用について「島民は島内の避難所でも地震の揺れで眠れない。派遣した職員の意見を参考に、ゆっくり休んでもらいたいと思い開設を決めた」と語った。
このほか、数人の島外避難者が体調不良を訴えたことも報告。発熱や高血圧などで深刻な症状ではなく、保健師が同日朝、避難先のホテルなどで健康チェックをした。
島には畜産農家など28人が残るが、7日時点で追加の避難希望者はいないため、第3陣の避難は「検討の段階」としている。