独特な世界観がにじむ作品に見入る来場者=10日、湧水町の霧島アートの森
「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家、水木しげる(1922-2015年)の回顧展「水木しげる 魂の漫画展」(鹿児島県文化振興財団、南日本新聞社など主催)が10日、湧水町の霧島アートの森で開幕した。「ゲゲゲ-」や「河童の三平」など不思議な世界を描き続けた画業をたどる。
鳥取県境港市で育った水木は、太平洋戦争に出征後、紙芝居作家から漫画家に転向した。会場は8つのテーマに分かれ、原画、愛用の道具など約350点を展示。鬼太郎の誕生エピソードが描かれた「墓場の鬼太郎」の漫画原稿は、アートの森のみの公開で、来場者は熱心に見入っていた。
開場式で長女の原口尚子さん(62)は「いろいろな経験を重ねてきた水木の魅力や創作の秘密を幅広く感じてほしい」とあいさつ。鹿児島市の本田奈美さん(51)は「水木さんは原画をかなり描き込んでいたことを初めて知った。密度があり驚いた」と話した。
9月23日まで。月曜休園(祝日の場合翌日。14日、8月12日、9月22日は開園)。一般1200円、高大生800円、小中生600円。霧島アートの森=0995(74)5945。