珍しい鮮やかな黄金色に輝く繭=龍郷町の「夢おりの郷」
鹿児島県龍郷町の本場奄美大島紬織元「夢おりの郷」は、全国でも珍しい黄金色の繭生産に取り組んでいる。大きさは3センチほどで、鮮やかな色はまるでお菓子のよう。江戸時代の書物に「奄美大島で生産されていた繭は黄金色」との記述があり、2010年に蚕種業者の協力を受けて再現した。
蚕種業者によると、「奄美黄金」と呼ばれる蚕は、蚕を掛け合わせて開発した。夢おりの郷では年に数回、繭を生産し、今回は6月上旬から約1万頭を飼育。7月2日までに、乾燥前の重さで約7キロの繭を収穫した。
黄金色は精練すると色は抜けるが、泥染めをしない白大島紬に使うと柔らかな手触りになるという。「夢おりの郷」は精練せずに帯の材料にも使用する。南祐和会長(78)は「奄美黄金は育ちにくく効率は悪いが、今後も生産を続けて大島紬の付加価値を高めていきたい」と話した。