トカラ群発地震、帰島のカウントダウン無情の「リセット」 震度4が2回観測で延期、最短で17日判断に 有感地震は1870回超え

2025/07/12 06:30
悪石島やすら浜港付近。地震の影響か、山肌があらわになった斜面が見える=9日午後1時5分、十島村悪石島(代表撮影)
悪石島やすら浜港付近。地震の影響か、山肌があらわになった斜面が見える=9日午後1時5分、十島村悪石島(代表撮影)
 群発地震が続くトカラ列島の十島村悪石島で11日午後、震度4の地震が2回あった。村は震度4以上の地震が5日間発生しなければ島外避難している住民を帰島させる方針で、早くて16日を予定していたが、今回の地震を受け延期を決めた。判断は最短で17日、帰島は18日発の村営船になる。

 震度4以上が観測されるのは8日以来。気象庁によると、11日午後4時9分ごろと同30分ごろに悪石島で観測した。いずれも震源地はトカラ列島近海で、震源の深さは約20キロ、地震の規模はマグニチュード(M)4.7と推定される。小宝島で震度2、諏訪之瀬島や奄美市などでは震度1を観測した。被害は確認されていない。

 村は震度4の地震が2回起きたことを受け、午後5時の会議で住民の帰島を早くて18日にすると決めた。改めて12日から住民の帰島意向を聞き取る。震度4以上の地震が16日まで起きなかった場合、17日に最終確認し、希望者を集約する。

 島外避難しているのは悪石島の49人と小宝島の15人の計64人。第1陣の避難から11日で1週間となる。

 久保源一郎村長は「先が予測できないが、5日間という基準で帰島の日時を調整する」と話した。

 鹿児島県の塩田康一知事と久保村長は13日、県警のヘリで悪石島と小宝島に入る予定。落石や崖崩れ、学校の被害状況などを確認するほか、コミュニティーセンターや公民館で住民と意見交換し、生活状況や困っていることなどを聞く。

 福岡管区気象台によると、トカラ列島近海で観測された震度1以上の有感地震は、6月21日以降7月11日午後10時までに1873回に上る。11日は午後10時までに震度4が2回あったほか、震度3を7回、震度2を30回、震度1を59回観測した。

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