中種子町職員らの歓迎を受ける航空自衛隊馬毛島先遣隊=17日、同町立中央公民館
西之表市馬毛島の米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)を伴う自衛隊基地整備に向け、7月に中種子町での勤務を開始した航空自衛隊馬毛島先遣隊の岡田智光隊長が17日、記者会見した。「地元と共にありたい」と述べ、住民の理解を得ながら活動する方針を示した。
中種子町野間の代替管理事務所で会見した岡田隊長は、馬毛島のインフラ整備や、航空管制機材の受け入れなどが業務だと説明。「地元の理解がなければ任務を達成できない」とし、各隊員が防災訓練や運動会といった行事に積極的に参加していく展望を語った。
馬毛島での勤務は22日からの予定。中種子町の浜津脇港から小型船で通勤する。「(船通勤は)空自では例がない。漁協や工事関係船の協力を得ながら安全を確保する」とした。種子島の火縄銃をあしらった先遣隊エンブレムも披露した。
基地整備による島民生活への影響、訓練に伴う騒音や事故への不安については「防衛省全体で取り組む」などとし、具体的な言及を避けた。
17日は町立中央公民館で歓迎セレモニーもあり、隊員19人を町職員や町議ら約70人が迎えた。田渕川寿広町長は「信頼関係を築き、活性化にも協力を」とあいさつ。岡田隊長は「精いっぱい地域貢献する」と応じた。
馬毛島先遣隊は3月、空自春日基地(福岡)に発足した。本年度の隊員は約60人。6月末に完成した中種子町野間の宿舎へ段階的に入居する。