候補者と共に気勢を上げる支持者=19日午後7時59分、鹿児島市
参院選の選挙戦最終日となった19日、鹿児島選挙区の4候補者は大票田の鹿児島市を中心に最後の訴えに声を振り絞った。「おぎおんさぁ(祇園祭)」の前夜祭があった天文館周辺では、祭りの雰囲気が漂う街を候補者が練り歩き、汗だくになりながら政策や名前をアピールした。政権交代もはらむ少数与党への審判は20日に下される。
無所属新人の尾辻朋実さん(44)=立憲民主推薦=は、自民現職で勇退が迫る父・秀久さんが県議選に立候補した際に第一声を挙げた鹿児島市の南洲神社で演説し、「必ず政治を変える」と街宣をスタートした。午後は応援に駆けつけた立民の笠浩史国対委員長と天文館で支援を求めた。午後7時50分すぎ、「皆さんの声を永田町に届ける」と甲突川左岸緑地で誓い、マイクを納めた。
参政新人の牧野俊一さん(39)は、勤務するクリニックの夜勤を終え、JR鹿児島中央駅前で街頭演説した。吉川里奈衆院議員や地方議員も駆けつけ、「減税で暮らしを守り、積極財政で未来を開こう」と声を張り上げた。日中は同駅前から天文館を回り、道行く人に駆け寄って支持を求めた。最後はみなと大通り公園に集まった支持者を前に「従来の政治のあり方を変えよう」と力を込めた。
自民元職の園田修光さん(68)=公明推薦=は選挙カーで鹿児島市内の住宅地をくまなく回った。各地域の地方議員も支持を呼びかけ、繁華街では妻や2人の娘らと練り歩いた。マイク納めを行ったJR鹿児島中央駅前には、森山裕幹事長や塩田康一県知事、地方議員らが結集。園田さんは「われわれの古里をもっと豊かにしていかないといけない。そのためにも社会保障は必要だ」と訴えた。
NHK党新人の山本貴平さん(50)は、自宅のある東京で終日活動した。日中は党の他候補の支援に回り、夕方から都内で選挙ポスターの貼り直しや修正にあたった。「鹿児島は2日しか入れなかったが、支援者の協力が党への支持拡大につながった」と語った。
繁華街でチラシを受け取っていた鹿児島市の医療従事者、下園翼さん(38)は子どもの医療や福祉について関心が高い。「政策をしっかり見極め、投票に行きたい」と話した。